抄録
1990年代末にヒス束位図が臨床応用されるようになり, 頻脈性不整脈の発現機序の解明に飛躍的な進歩が見られ, 一方徐脈性不整脈においても, その伝導障害部位の診断がより詳細に行われるようになった. 著者はこれまで主として徐脈性不整脈を中心に研究を行ってきたが, その一端を列挙する.
房室ブロックはその伝道途絶部位により臨床像に差が見られ, 総体的にブロック部位が下位になるほど臨床的に重篤度が増す傾向がみられた. また高齢女性ではヒス束内ブロックが高頻度にみられた.
解剖学的な伝導系の概念は電気生理的にも説明可能であり, 剖検例による検討でも両者の所見はよく一致した.
治療面ではペースメーカーによる治療に関し, 洞機能不全症候群では長期に渡り心房ペーシングが可能であることを証明し, 房室ブロックにおいてはQRS幅と心機能に着目していたが, 最近この問題を解決するペースメーカーによる心臓再同期療法が開発され臨床的にもある程度の効果が認められた.