抄録
睡眠時無呼吸症候群はGuilleminaultらが1976年に「7時間睡眠中に10秒以上つづく無呼吸が30回以上見られるもの」, あるいは「non-REM睡眠1時間あたり5回以上認められるもの」を睡眠時無呼吸症候群と定義した. 睡眠時無呼吸症候群の分類として閉塞性・中枢性・混合性に分けられる. 中枢性SASはSAS全体の4%程度とされている. 大部分が閉塞性・混合性睡眠時無呼吸症候群である. 耳鼻咽喉科では主に閉塞性・混合性睡眠時無呼吸症候群に対して手術療法等を行っている. 閉塞部位より鼻性・上咽頭性・中咽頭性・下咽頭性・喉頭性・気管性に分けられる. 実際は鼻性・中咽頭性による閉塞が多く鼻中隔彎曲矯正術・下鼻甲介切除術・口蓋扁桃摘出術・口蓋垂軟口蓋咽頭形成術uvulo-palato-pharyngoplasty (UPPP), 舌正中部分切除がおこなわれ, 最重症例, 中枢性SASに対しては気管切開を施行している. このほか, 睡眠時無呼吸症候群は鼻アレルギー合併率が76%にものぼり, 鼻アレルギーの治療は睡眠時無呼吸症候群の治療にも有用である.