順天堂医学
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総説
睡眠時無呼吸症候群 呼吸器内科の立場から
田村 尚亮高橋 和久
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2005 年 51 巻 3 号 p. 311-321

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抄録

睡眠時無呼吸症候群 (SAS) は4型に分類されるが, 閉塞性睡眠無呼吸低呼吸症候群 (OS-AHS) の頻度が高い. 発見動悸は, いびきや昼間の眠気などの極めてありふれた症状であるため見過ごされやすい. 有病率は男性で高い (0.3-4%). 本症に見られる夜間の不規則な呼吸は, 終夜睡眠ポリグラフを用いて計測された無呼吸低呼吸指数 (AHI) によって評価され, AHI>5を異常と判定する. わが国の多くの施設では睡眠検査室を持たないため, 酸素飽和度測定を中心とした簡易検査が行われているが, 酸素飽和度低下指数 (ODI) はAHIと相関性が高く, スクリーニングとして有用である. こうした簡易検査によってであっても本症をできるだけ早期に発見し, nCPAP (経鼻的持続気道陽圧呼吸) などを用いた治療を行うことで, 疾患の背後に存在する睡眠や生活の質の低下を改善し, 交通災害などの社会生活に及ぼす悪影響や, 疾患の発症を回避することが重要である.

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© 2005 順天堂医学会
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