順天堂医学
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特集 小児の栄養――こどもの未来を考える――
BACトランスジェニックマウス作成法を用いたNeural Crestopathy (神経堤関連疾患) 解析の新規モデルマウス作成
赤澤 智宏志村 健作石井 邦弥松尾 望
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2009 年 55 巻 1 号 p. 34-39

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抄録
神経堤細胞は全身の様々な組織に分化する多様性と, ダイナミックな移動能が特徴である. 神経堤細胞の異常に惹起される疾患は小児期に発症し, 全身性の複合疾患を呈する. 本研究ではマウス発生工学的手法を駆使することで, 神経堤細胞の発生・分化・増殖・移動を明らかにすると同時に, 神経堤複合疾患の病態解明に貢献する事が期待されるモデル動物を作成した. 神経堤細胞の発生過程で長期間発現が持続する転写因子SOX10のプロモーター領域に, 蛍光タンパク質VENUSを挿入して外来性に発現させるトランスジェニックマウスを作出した. われわれはインサー-トサイズが200kbpに及ぶBACクローンを鋳型として, 大腸菌内相同組み換え技術を応用し, BAC内のマウスSOX10遺伝子の翻訳領域をVENUSに置換することによって, BACトランスジェニックマウスを作成した. この組み換えマウスは, SOX10の発現細胞に時間特異的・部位特異的にVENUSが発現することが確かめられた.
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© 2009 順天堂医学会
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