順天堂医学
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特集 第326回順天堂医学会学術集会
がん性疼痛管理
山口 敬介井関 雅子奥野 滋子稲田 英一
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2011 年 57 巻 6 号 p. 594-601

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抄録
本邦で2006年にがん対策基本法が成立し, 緩和ケアを早期から適切に行うことが明記された. これにより緩和ケアは大きな広がりをみせ, ホスピスや緩和医療専門病棟だけでなく, 一般病院でも緩和ケアチームが設置されるようになってきた. それに伴いWHO除痛ラダーに代表される体系化されたがん性疼痛管理法が広く普及し, さらにこの10年間にオピオイド鎮痛薬の種類・剤形や投与経路が増えたことやオピオイド以外の薬物療法や鎮痛対策が増えたこと, 優れた薬物の出現なども手伝って, がんの痛みに対する除痛率は大きく向上している. しかしながら, すべての医療従事者が, がん性疼痛管理に習熟しているとは言い難く, 今後の課題として各診療科や各部門の垣根を越えて機能する緩和ケアチームを整備し, 緩和ケアの啓蒙・普及に努める必要がある.
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© 2011 順天堂医学会
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