抄録
高血圧, 脂質異常症, 糖尿病は3大生活習慣病と呼ばれている. 高血圧, 脂質異常症は治療薬の進歩によりその治療はかなり目標到達が容易となった. 一方糖尿病はというと, どんな優れた内服薬を用いても食事や運動療法を施行しない患者では血糖コントロールの改善は望めない. 最近ではエンパワーメントといった患者中心主義の方法論が紹介されているが (表-1) 1) なかなか現実的な指導に生かしていくのはまだまだ難しく感じる. そこで本稿では患者の治療意欲を高めるためのコツをエビデンスからではなくあえて筆者の経験よりご紹介したい. ひとつは食後高血糖の治療, もうひとつはインスリン治療の導入と血糖自己測定の開始タイミングについてである.