抄録
駅などの構内放送システムは局所的な情報提供に向いておらず,場所や乗客に特化した誘導は現地の係員に頼っていた.我々が開発した仮想都市シミュレータは,そのような分散型の誘導を遠隔地からも行うことを可能にする.我々のシミュレータは,現地の多数のセンサから送られてくる情報を一つの仮想都市空間内の乗客の行動として統合する.このシミュレータ上で,誘導者は乗客の行動を自由な視点から観察できるだけでなく,誘導対象を自由に指定して話しかけることができる.現地係員による内在型の誘導に対して,このような超越型の誘導の特徴を探るため,シミュレータを京都駅のセンサーネットワークと接続して実験を行い,様々な知見を得た.