人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第32回 (2018)
セッションID: 2B2-OS-19a-03
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主観性と客観性を共存させる方法による臨地探究に基づく地域創生デザイン課題のデザイン
*藤井 晴行篠崎 健一
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抄録

デザインはものごとのありたき姿やあるべき姿を描いてそれらを実現させる方法を考案する行為である。この行為には客観的な知識に基づく合理的な思考だけではなく主観的な信念に依拠する直感的な判断がともなう。本報告は伝統的な様式を継承する民家が多く現存する沖縄離島(伊是名島)の集落(伊是名区)を<臨床>のフィールドとする「空間図式の探究」とそこから発展した地域創生デザインの課題デザインのプロセスを事例として、空間図式探究という研究から地域創生デザインという実践に至る経緯、主観性と客観性が共存するデザイン・プロセスを独善に陥らないように進める方法として筆者らが構築しつつある写真日記の作成と構造化という発想法の適用の実際について述べるものである。写真日記は写真、事実の記述、事実に関連して考えたり気づいたりしたものごとの記述、写真日記作成者の経験の記述からなる臨地調査の記録である。写真日記をできるだけボトムアップで構造化する過程で新たな気づきが生まれたり潜在的な問題意識が顕在化されたりする。この過程を通して客観的な事実と主観的な考えから<臨床の知>が顕在化されていると実感している。

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© 2018 一般社団法人 人工知能学会
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