人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第33回 (2019)
セッションID: 2G5-J-13-05
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AIの権利は誰のもの?
*小野 潔
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抄録

実務のAI開発ではAI 組込型の業務アプリケーションが広がっているが、そのAIの権利を守る法律が未整備である。一般企業の法務部では急速なAI理論の発展について行けていけないが実情であり、将来はAI権利トラブルが懸念される。AI組込型業務アプリケーションの開発では、ユーザー、AIベンダーとのAI権利に関する合意・契約が必要である。AIベンダーとユーザーの契約では、1.AIモデルを作成したプログラム、2.学習データ、3.パラメーターを含む学習済みモデル、4.AIモデルを組み込む業務プログラム、5.ノウハウについての権利を明確にする。特にDeep Learningでは転移学習/蒸留を含めた利用許諾の明記することが重要である。AIの権利を明確にするには、データサイエンティストを含めた当事者と弁護士のディスカッションからAI権利とその関係者をすべて洗い出すことが、第一歩である。また 個人情報をコントロールするプライバシー権利が世界的に強化されつつあり、今後は留意する必要がある。

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© 2019 一般社団法人 人工知能学会
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