主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2019年度人工知能学会全国大会(第33回)
回次: 33
開催地: 新潟県新潟市 朱鷺メッセ
開催日: 2019/06/04 - 2019/06/07
複数の交通モードを組み合わせてひとつのサービスとして提供するMobility as a Service(MaaS)に注目が集まっている。MaaSでは、サービス情報の提供や予約、支払いに、GPS等の行動ロガーを備えたケータイアプリが活用されることが多い。サービスオペレータは行動ログに基づいて利用者毎に差別化したサービスを提供することが可能であるため、それぞれの利用者に対する交通資源割り当てと価格決定のアルゴリズムが必要である。本稿では、オンデマンド交通サービスの動的価格設定メカニズムの概念的枠組みを提示する。 具体的には、利己的エージェントのベストレスポンス戦略によって達成されるベイジアン・ナッシュ均衡状態が動的システム最適状態と一致するような、耐戦略性を有する課金メカニズムを確立することを目指す。事後的な事業者収入が非負であることを保証するメカニズムと、事後的な利用者効用が非負であることを保証するメカニズムの2種類について、交通サービスの状況を想定した数値実験を行い、両メカニズムの間で生じるサービス事業者の収入と顧客の利益との間のトレードオフを示す。