主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
半導体工場では製品の製造過程で大量のデータが得られる.工場の生産性を高めるためにこれらのデータを収集し,分析する取り組みが行われている.しかしながら製造技術の向上に伴う製造能力の向上やプロセス微細化に伴いデータが膨大かつ複雑になっておりデータ分析が困難になってきている.東芝はこのような課題に対処すべく,歩留解析支援システム「歩留新聞」を開発した.歩留新聞ではウェハ上の不良チップの分布を表す不良マップを自動分類する.ウェハ上のチップが特徴量であるため従来は製品毎に分類していたが,少量多品種の場合には製品毎のデータ数は少なく製品数が多いため,分析精度の低下と分類結果の煩雑さの2点が課題であった.本稿ではウェハ上のチップ数が互いに異なる製品同士の不良マップを同じ特徴量次元に変換してからまとめて分類する製品跨ぎ不良マップ分類と,それに適した表示方法とを提案する.製品跨ぎ不良マップ分類により,少量多品種であっても分類データ数の増加と分類結果の煩雑さの抑制の両立が可能となった.また,従来は困難だった製品間で共通の不良傾向を発見できるといった,少量多品種の分析に適した効果も確認された.