主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
マルチエージェント環境下の問題解決においてルールベースのプログラムでは状況に応じて行動を決定することは難しい.そこで近年,発展の著しい機械学習の一つである深層強化学習の分野からマルチエージェント環境下への問題解決へアプローチする.本論文ではマルチエージェント環境の一例として固定翼航空機とヘリコプタによる航空救難を想定する.固定翼航空機は高速性を活かした広域捜索が可能だが,要救助者を救助することはできない. 一方ヘリコプタは固定翼航空機よりも速度が劣るものの,捜索と救助が可能である.したがって各エージェントの能力差を活かした協調によりタスクを達成することが望まれる.本研究の目的はマルチエージェント環境下において能力差を活かしたチームワークを実現することである.そのために本論文ではエージェントが通信内容を学習する手法を提案する.提案手法は固定翼航空機がヘリコプタに対して適切な通信内容を送信することで協調タスクの達成率向上を目指す.航空救難問題を用いて「提案手法」「通信なし」「決定的通信」を比較する.実験から提案手法による協調タスクの実現を確認し,提案手法の有効性を示す.