主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
近年、医療分野では行政や学会等が主導して大規模なデータベースの構築が進められており、疫学研究や医薬品の安全対策における利用が期待されている。その中でも診療報酬に関するデータは、医療記録や対象者の網羅性や構造化の観点でデータベース化が進んでおり、これらのデータを利用した患者のクラスタリングや予後を予測する研究がすすめられている。本研究では、その一環として、COVID-19肺炎患者に対して実際に使用された治療薬の使用状況の類似性や関係分析を目的として、薬剤と治療行為をノード、患者内での併用関係をエッジとしたネットワーク構造を利用したデータマイニング方法を提案する。患者の入院期間や死亡割合などを踏まえて、得られたコミュニティの評価を行い、薬剤の使用状況によるコミュニティ分類を可視化することにより、本手法が実際に行われた治療の全体像把握に繋がることを示す。本手法は、多様な病態を示す疾患や、承認されている薬剤が複数存在する疾患に対しても応用できる可能性がある。