生物環境調節
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生態種および粒大の異なる水稲品種の登熟特性
アンサリ T.H.宮崎 彰吉田 徹志山本 由徳王 余龍
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2003 年 41 巻 4 号 p. 321-334

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抄録
水稲多収に関して, これまでは主に面積当たり籾数の増加についての検討例が多く, 個々の籾容量の増大, すなわち大粒化についての報告例は少ない.本研究では, 大粒による多収化の基礎知識を得ることを目的とした.供試品種として, 日本型品種, ジャワ型品種とインド型品種の計15品種の中で, 玄米千粒重が30g以上を大粒, 23~30gを中粒, 23g以下を小粒グループに分け, 出穂から成熟期までの籾重の増加特性を比較, 検討した.各品種で, 最高籾重の15.9~84.1%の籾重に達した期間を主要登熟期間とした場合, この期間の籾一日当たりの乾物重増加速度は, 全籾また1次枝梗, 2次枝梗籾別でも, 大粒品種ほど速く, 最高籾重と高い有意な正の相関関係を示した.一方, 主要登熟日数との間には密接な関係はみられなかった.これらの結果, 登熟期間の生態種および粒大を異にする籾の登熟は, 主に籾乾物蓄積速度によって支配されており, この期間の平均気温や平均日射量などの環境要因と比較して, 品種特性による影響が大きいことが示唆された.
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© 日本生物環境工学会
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