自然言語推論タスクにおいて，半構造化表データとテキスト間の推論が研究されている．現在のニューラルモデルは，半構造化表データとテキスト間の推論を含む，様々な形式の自然言語推論に対し高い性能を達成しているが，個体の数量など数に関係する推論を行なうことは難しい．そこで本論文では，半構造化表データとテキストとの間の推論であって，特に数量理解を対象にした論理ベースの推論システムを提案する．表データと文に関する意味表示として論理表現を用い，それらの間の推論を行なう方法としてモデル検査を採用する．半構造化表データとテキスト間の数量理解を問う推論テストセットと評価方法を提供し，それらを用いて提案手法の数量比較に関する評価を行なう．また，現在のニューラルモデルと比較して，提案手法が頑健に数量理解を必要とする半構造化表データとテキスト間の推論を実現できることを示す．
