主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2022年度人工知能学会全国大会(第36回)
回次: 36
開催地: 京都国際会館+オンライン
開催日: 2022/06/14 - 2022/06/17
本研究は、自社保有技術を使用した製品の売上が拡大期に入る際に、営業レポートといった社内情報と、技術に関するニュースなどの社外情報がどのような傾向にあるのかを自然言語処理によって分析したものである。 パワーエレクトロニクスの分野では、従来からのシリコンより低損失動作が可能な炭化ケイ素(SiC)や、より高速動作が可能な窒化ガリウム(GaN)を使用したトランジスタが使われ始めてきた。どちらも長年研究され有望視されてきた技術であるが、SiCの市場が先に形成された一方でGaNについてはまだ大きな市場になっていないなどの違いがある。 今回その違いを探るために、SiCの売上拡大期における社内レポートや社外の技術ニュースといった自然言語データを、年代ごとにWord2Vecを使用して単語ベクトル化しクラスタリングを行った。結果、社外ニュースについてはSiCの売上拡大の2年前から、社内レポートについては3年前から、売上やセールスに関するワードを抽出できた。本研究は自社保有の技術の市場の形成度合いを測る手法として、他の技術についても活用ができると考えている。