固定型センサと自律走行ロボット搭載センサの連携によるオフィス環境のCO2濃度監視と通知システム

抄録

屋内における3密状態回避など，環境情報に基づく行動が感染症対策として重要になっている. 屋内における環境情報の取得法，環境情報に基づく人への適切な行動喚起，行動結果の評価，および人への環境情報・行動結果の評価通知方法は十分に確立されていない．本研究では，自律走行ロボットとそれに搭載されたセンサ，自律走行ロボットと環境固定センサとの連携，ロボットによるコミュニケーション支援によって，オフィス内の環境情報の取得，および人への行動喚起を試みる．本稿では，プロトタイプシステムを構築し，それを用いたオフィス環境におけるCO2濃度分布の取得，CO2高濃度状態の検知，および高濃度状態を検知した場合に自律走行ロボットから人へ適切な行動喚起を通知した実験結果を示す．実験の結果，本プロトタイプシステムによりCO2濃度分布をより詳細に取得し，それを高濃度箇所の検知や自律走行ロボットからの行動喚起につなげられることを示せた．