近年,ソーシャルメディアの普及に伴い,情報発信のみならず,多くのユーザに情報を拡散することが容易になっている.それに伴い,デマやフェイクニュースなどの誤情報・虚偽情報も,かつてないほど広範囲に,そして急速に伝播するようになった.特にソーシャルメディアでは,自分の意見を反映・補強する情報や意見にしか出会えないエコーチェンバーと呼ばれる環境が存在し,フェイクニュースの拡散を助長していると指摘されてきた.本研究では,ソーシャルメディアのユーザが受けるエコーチェンバーの影響を最小限にするために,ユーザがエコーチェンバーの存在を客観的に確認できるツイート可視化システムを提案する.提案システムでは,Twitter上で「デマ」や「フェイクニュース」と言及されているツイートを収集し,トピックごとにツイートをクラスタリングする.さらに,クラスタリング結果を時系列で表示することで,各クラスタの議論の盛り上がりの変化を可視化することができる.提案システムを通して,ソーシャルメディア上で議論する際にエコーチェンバーの影響を受けている可能性のあるトピックを把握することが可能になる.