イヌは我々ヒトにとって非常に身近な動物でありながら,いまだにイヌの認知・行動・情動などについて盛んに研究がなされている.その中でも定量的評価についての試みは,近年の機械学習手法の発展とともに進展を示している.用いられる入力情報として画像・映像,心電図など生理的信号,慣性センサ信号などが挙げられる.本稿では,計測が簡便で頻用される画像・映像を入力として用いる手法について調査内容・基礎的検証結果を報告する.イヌを対象とした画像・映像処理は,イヌ身体が含まれる画像領域を検出する処理,体部位位置を推定する処理,感情認識処理など多岐に渡る.本稿ではそれぞれの処理について概説するとともに,主要な手法の適用可能性に関する基礎的検証結果を示す.