時系列データ分類問題に対する近年の成果にROCKETがある。ROCKETは単変量あるいは多変量の時系列データから高次元特徴量を算出するためのアルゴリズムであり、得られた特徴量(以下ROCKET特徴量と書く)をリッジ回帰モデルなどの説明変数として用いることで高い分類性能が得られることが知られている。 一方でROCKETを用いた分類タスクでは、時系列データそのものではなく、データから変換した高次元特徴量を説明変数とするために、元の時系列データのどの変数の情報が分類に強く寄与したのかを知ることは困難である。そこで本研究ではROCKET特徴量を説明変数とする分類器の重み係数等から、各変数の重要度を算出する手法を提案する。具体的にはROCKETと併せて用いられることの多いリッジ回帰モデルによる分類器の重みを高次元特徴量の重要度とみなし、その重要度を元の時系列データの各変数に還元する。さらに提案手法による変数重要度が、分類問題において重要な役割を果たす変数を特定する指標として機能していることを数値実験により検証する。