人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第37回 (2023)
セッションID: 2B6-GS-3-03
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地震波形の全体・局所領域に対する複数の深層学習モデルを統合した地震検出手法
*徳田 智磯長尾 大道
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抄録

地震検出のためには、観測された地面の揺れを時系列波形に変換し、地震波特有の波形を同定する必要がある。近年、AI技術を地震検出に取り入れる試みがなされ、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)等の深層学習を用いてデータ駆動的に地震波の特徴量を抽出して、精度よく地震波を検測する手法が提案されている。本研究では、CNNを用いた代表的な手法であるGPD法を発展させ、地震波形全体の情報に加え、波形の局所情報をモデルに取り入れることにより、より精度よく地震を検出できる手法を開発した。まず、トレーニングデータとして用いる波形データについてクラスター分析をおこない、波形を複数の局所領域に分割した。次に、波形全体、及び各局所領域に対してCNNを用いた地震波判別モデルを構築した。最後に、各々のモデルに(新たな)波形データを適用し、算出された地震波検出確率の積を検出確率と定義した。提案手法をテストデータに適用した結果、GPDと比較して頑健性があることがわかった。さらに、米国・カリフォルニアで起きた群発地震の波形データに適用した結果、他の手法と比較して、提案手法は精度よく群発地震を検出できることがわかった。

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© 2023 人工知能学会
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