主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2023年度人工知能学会全国大会(第37回)
回次: 37
開催地: 熊本城ホール+オンライン
開催日: 2023/06/06 - 2023/06/09
株価を予測する大量のファクターを同時に扱うため、深層学習を用いた深層マルチファクターモデルが提案、応用されてきた。しかし、一般に深層学習の出力結果の解釈は困難であり、実際の運用実務への活用を考えると説明責任の観点から解釈性が必要となる。解釈性を与える手法は、各入力における特徴量の寄与を与える局所的サロゲートとモデル全体の大域的な説明を与える大域的サロゲートに大別される。前者はモデル全体の出力傾向の説明等は困難である一方、後者は解釈性の高い代理モデルの学習によりそれを可能とする。しかし、元のモデルとの出力が類似していても、判断の根拠が整合的であるとは限らない問題があった。そこで本研究では、局所的サロゲートであるLayer-wise Relevance Propagation (LRP)と大域的サロゲートを組み合わせた解釈手法を提案する。本手法はモデルの出力および局所的な説明の両面での整合性を保持するため、LRPによる正則化を行った大域的サロゲートの学習を行う。実際の市場データを用いた実験の結果、提案手法による局所的説明とも整合的でより自然な解釈が可能な大域的サロゲートの学習を確認した。