人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第37回 (2023)
セッションID: 4B3-GS-11-04
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障害のある人の文化芸術活動における人工知能技術の活用から見えてきた可能性と課題に関する報告
奈良県奈良市のコミュニティ・アートセンター「たんぽぽの家アートセンターHANA」における2年間の取り組みから
*小林 茂徳井 直生小林 大祐図師 雅人森下 静香岡部 太郎藤井 克英後安 美紀大井 卓也
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抄録

障害のある人の文化芸術活動における人工知能技術の活用から見えてきた可能性と課題に関して報告する。奈良市のコミュニティ・アートセンター「たんぽぽの家アートセンターHANA」では、身体障害や知的障害のある人々が絵画、詩、演劇など多様な文化芸術活動を行っている。そうしたアーティストたちに共通する課題が、障害の重度化や加齢などにより心身の状態が悪化していく中における創造的な活動や新たな挑戦の継続である。例えば同施設に在籍していた武田佳子は、徐々に身体機能が失われるにつれ、画材や技法を変えながら制作を継続してきた。ここで着目したのがサポーターである。サポーターはアーティストたちの制作活動を支援する人々で、単なる支援に留まらずアーティストに一体化しているかのように見える場面も多数観察された。作品を素材とする画像生成や自助具的なツール制作などの試行を経て、本プロジェクトでは新たなサポーターとしての人工知能に着目した。DALL·E miniやStable Diffusionなどの画像生成技術を活用して取り組んだ活動から見えてきた「表現活動に寄りそう他者としての人工知能」の可能性と課題について報告する。

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© 2023 人工知能学会
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