人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第37回 (2023)
セッションID: 4Xin1-56
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強化学習を用いたマルチエージェントシミュレーションによる水害時の住民避難予測
*吉田 司奥村 和生荒川 豊野本 済央飯田 恭弘中村 高雄
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抄録

近年、甚大な被害をもたらす洪水が増加しており、シミュレーションの性能向上は重要である。これまでのマルチエージェントシミュレーションの研究では、一般的にエージェントの行き先は固定され、行動も制限されていた。そのため、実際の災害時に人間が取り得る動き(例えば荷物を取りに家に帰宅し、氾濫している川に近づくなど)を再現することができず、実際の人間の行動と乖離が生じることがあった。この問題を解決するために、人間の行動を資源回収ゲームとみなし、強化学習によって学習する避難予測の新しいパラダイムを提案する。さらに、このゲームを解くための手法として、モンテカルロ木探索(MCTS)を用いた強化学習を提案する。評価実験では、MCTSアルゴリズムが正しい行動を学習し、一部の人が浸水地域に留まる状況を実際の行動のように再現することができた。

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© 2023 人工知能学会
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