人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第38回 (2024)
セッションID: 1N3-GS-9-01
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自身の作業履歴を活用することの記号論的解釈の試み~プログラミング支援を題材として~
*渡部 丈山本 恭裕中小路 久美代
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抄録

本研究が目指すのは,知的活動支援に自己の履歴情報を用いることの意義とその効果を明らかにすることである.本研究では,知的活動の具体的な題材としてプログラミングに着目し,その支援の方法について探ることを目的とした.一人称研究のアプローチによる自己のプログラミング活動の観察と,その結果から示唆される要因を踏まえた支援ツールの試作を循環的におこないながら,プログラミングに伴う自己の作業履歴を収集・蓄積し外在化する環境HALO Toolsを構築した.HALO Toolsは,プログラミングに関わる多様な作業の履歴を収集するツール群と,収集した履歴を外在化するツール群から構成される.本稿では,自己の履歴に着目したHALO Toolsのデザインやプロトタイピングを通して,プログラミングにおいて自己の作業履歴がもたらす効果について詳述する.本研究では知的活動支援に履歴を活用することについての理論的根拠付けとしてパースの記号論を導入した.一人称研究による観察の結果とパースの記号論に基づくその解釈から,自己の履歴は,過去のプログラミングの状況や文脈を想起させる指標記号のような役割を果たすことが示唆された.

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