土木文書へのマルチモーダルモデル適用へ向けた調査

抄録

土木技術者の作業効率化や省力化を目的とし，従来紙により管理されていた諸元や巡視・点検情報等のデジタル化が進んでいる．一方土木分野の文書はpdf形式のものが多く，多様な書式がある．中には古い文書のスキャンデータなどを参照するケースもあり，テキスト抽出ツールや光学文字認識（OCR）技術で対応できない場合がある．近年ではマルチモーダルモデルをOCRや文書理解を目的として使用した例もあり，土木分野においてもマルチモーダルモデルの活用が期待される．本研究では，専門用語を多く含み日本語である土木分野の文書を対象とし，マルチモーダルモデルがどの程度専門文書の認識および理解が可能かを測る．また，定性的な分析を実施し，土木分野におけるマルチモーダルモデル活用の可能性について言及する．