人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第38回 (2024)
セッションID: 3Xin2-71
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ナレッジグラフにおける機械学習によるがん治療薬レジメン予測
*舘 功陽矢野 雄一赤木 健一郎夏目 やよい黒田 正孝伊藤 眞里樋口 千洋上野 賢也陳 怡安丹尾 真理子
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抄録

がんとは複雑な疾患であり、このため治療も複雑である。患者は複数の治療ラインから構成される治療を受ける。薬物治療は1剤または複数剤で構成され、他の治療ラインと組み合わせて治療される。本研究では、臨床試験および生物学的データベースでナレッジグラフを構築し、機械学習により新たなレジメンの提案を検討した。これにより、複数のデータソースを使用することによる機械学習結果への影響について考察する。データソースには①ClinicalTrials.govから抽出した実際に臨床試験で使用されたレジメンとその適応症、②ライフサイエンスデータベースのひとつであるTargetMineを使用した。これらからDrug, Regimen, Disease, Geneのノードでナレッジグラフを構築し、ナレッジグラフ補完アルゴリズムKBLRNでRegimen-Drugの繋がりを予測した。結果、臨床試験データのみからの予測では抗がん剤が多く選抜された一方で、TargetMineを追加することで抗がん剤以外の薬も上位で予測された。これにより、複数のデータソースを使用することで意外性のある結果を出力できる可能性が示唆された。

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