人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第39回 (2025)
セッションID: 1Win4-68
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逆プロンプトを用いたコールドスタート推薦
*草野 元紀
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抄録

本研究では、新商品などの教師データに該当商品がなくて予測が困難になるコールドスタート推薦に取り組む。この問題に取り組むために、従来は商品名やカテゴリーといった補助情報を用いる推薦システムが提案されていたが、十分な量の訓練データが必要であった。近年では、大規模言語モデル(LLM)を用いることで教師データなしにコールドスタート問題を解けるようになったが、運用時のコスト面に課題があった。本論文では、LLMをデータ拡張機として活用し、教師データ収集とコスト効率の両課題を解消するRevAugを提案する。RevAugのアイディアは、ユーザがその商品を好きかどうかを予測させる従来の推薦プロンプトを、ユーザが好きそうな商品を生成させるプロンプトに変換し、それにより得られる出力を擬似サンプルとして学習データに活用したことである。4つの実データを用いた数値実験では、RevAugは少ない教師データで高い推薦精度を達成し、LLMの処理時間と利用料金を大幅に削減した。

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