人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第39回 (2025)
セッションID: 2D4-GS-9-05
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ヴァーチャル円卓会議によるノンバーバルシグナル拡張効果
ストレス低減と創造性向上を実現するビデオ会議システムの提案
*稲垣 正祥照山 康介久田 風子浦上 ヤクリン笹原 和俊
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抄録

ヴァーチャル円卓会議システム:VisionPitはビデオ会議用の個人ブース内に参加者の映像を円卓状に配置し、対面会議の様な臨場感を作り出すものである。既存のビデオ会議システムで欠落しがちな、目線やしぐさなどの非言語シグナルの交換を促進する効果が期待される。本研究では試作機を用いて、VisionPitとZoom、参考として対面の3種の模擬会議を実施し、非言語シグナルの量やコミュニケーションの円滑性、会議の生産性・創造性に違いがあるかを比較検証した。その結果、頭部運動と発話量の時間変化に相関が認められ、頭部運動の量はVisionPitが有意に多かった。発話のオーバーラップはVisionPitが多く、発話停止回数はZoomの方が多かった。アンケートでは、臨場感・一体感や、話者交代のスムーズさ、創造性、ストレスなど7つの項目全てでVisionPitがZoomを上回った。これらの結果より、VisionPitは非言語シグナルの発生を促進し、既存のビデオ会議システムに対して、円滑なコミュニケーションや意思疎通、ストレスなどを改善することが確認された。

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