日本応用数理学会年会予稿集
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セッションID: W02
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W02 自己組織化現象の数理モデルとシミュレーション
自己組織化をもたらす高次の自触媒化学系
朝倉 浩一
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抄録

開放化学系において自触媒過程が機能すると、平衡から遠く離れた秩序が自己組織化されることがある。この場合、孤立系では秩序の破壊者である反応及び拡散といった散逸過程は秩序の創造者として機能するため、このような秩序は散逸構造と呼ばれ、生命現象はその代表例といえる。様々な自己組織化現象を説明する非線形動力学モデルが、これまでに数多く提案されてきたが、これら数理モデルの全てが実際の化学系における自触媒機構を詳細に考慮したわけではない。本発表では、反応速度が生成物濃度に単純に比例して増加するような一次の自触媒系は実際には稀であり、より複雑で高次の自触媒過程が機能したために、化学系に自己組織化がもたらされる場合が多いことを紹介する。また、化学反応の進行を数理的にシミュレーションすることにより、化学系における自触媒反応機構が解析された結果を報告する。

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© 2002 日本応用数理学会
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