抄録
並列計算機による大規模シミュレーションにおいて,データの準備(有限要素法の場合メッシュ生成),計算結果の可視化処理は大きな技術的課題である。本研究では,適応格子による細分化(Adaptive Mesh Refinement,AMR)におけるメッシュの階層性を使用して,「メッシュ生成 から シミュレーション から 可視化処理」という一連のプロセスを並列計算機上で効率的に実施するための手法を開発した。まず,領域分割された初期メッシュから細分化メッシュを並列計算機上で生成し,シミュレーションを実施する。続いて,メッシュの階層性を逆にたどることによって,計算結果をより粗い格子にマッピングして可視化する。可視化環境,使用可能な計算機リソース,および計算結果の特性によって細分化レベル,細分化領域を自由に設定することが可能である。本講演では,津波シミュレーションにおいてこのような手法を適用した場合の実例を紹介する。