抄録
同次処理に基づく整数演算を用いることにより,多面体ソリッドモデラの集合演算の安定化を実現することができる.ソリッドモデラでは,ソリッドの座標変換と集合演算を繰り返してソリッドを作成する.同次処理に基づく整数演算を利用した場合,これらの過程において,整数値を表現するデータ長が際限なく増大していくことが問題となる.そこで,ソリッドモデラにおける整数値の最大データ長を制限する手法を提案する.この手法では,基本ソリッド及び座標変換行列のデータ長を制限し,集合演算をおこなう一方のソリッドを基本ソリッドに限定する.この手法を用いることにより,集合演算により作成されたソリッドの整数値の最大データ長を制限することが可能となる.