抄録
本発表では,線形弾性波動方程式の係数同定問題に対する数値解法について考察する.ここで対象とする弾性体は,等方性であると仮定する.取り扱う弾性問題としては, 2次元問題である平面ひずみ問題について考えることにする.同定対象となる弾性係数としては,密度,Poisson 比,Young 率があるが,ここでは密度,Poisson 比は既知であると仮定し,Young 率のみを同定することを考える.また表面変位と表面力が,境界上すべてで与えられているものとする.この係数同定問題に対する数値解法として,本発表では,変分法的同定法を採用する.元の問題の解を,変分法により得られた汎関数の最小化問題の解により同定する.最小化関数を同定する方法としては,射影勾配法を基礎とした方法を提案する.また数値実験により,本手法の有効性を検討する.