抄録
高靭性金属材料の引張変形の過程を解析する場合,ボイドの発生や成長を考慮にいれたGurson-Tvergaard-Needlemanモデルの構成式が用いられる.この構成式にはいくつかの材料特性値が含まれており,ボイドの挙動を考慮に入れた解析を行うためには,その材料特性値の決定が重要となってくる.本研究では,炭素鋼(S25C)を用いて実際に実験(圧縮試験および引張試験)を行い,5つの材料特性値についての逆解析を行った.逆解析の結果,予め他の手法を利用して介在物の体積率を調べておけば,全ての材料特性値について精度よく同定できることがわかった.また,本手法で得られた炭素鋼の同定結果は,一般的な材料に対する推奨値とされている値と比べて,かなり異なる数値となることがわかった.