抄録
広大な海洋に発生している波動場での波や船舶の挙動を研究するために様々な試験水槽が造られているが、これらは有限な領域であるが故に境界からの反射波が存在し真なる海洋波動場とは言えない。しかし境界が波を透過させる、つまり波を吸収する吸収式造波機があれば、有限な水域内に無限広さを持った波動場を再現することが出来る。そこで直径1.6M、深さ0.25Mの円形小型波浪水槽を作った。この水槽は全壁面が50機の分割型波吸収式造波機で囲われており、夫々を独立に制御することにより様々な波を造波でき、かつ同時に波吸収を行うことができる。長波頂の規則波・不規則波・過渡集中波の造波だけでなく波紋で水面に文字を描くこともでき、構造物模型に働く波力の計測をとおして小さな水槽にも関わらず通常の試験水槽と遜色ない実験が行えることが確認されている。海洋波動場内での船舶の挙動などの研究に新しい道を拓く水槽である。