日本応用数理学会年会予稿集
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セッションID: G12
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G12 微分方程式・計算理学
高温超伝導体の遮蔽電流密度が生成する磁場のスペクトル解析
*長谷川 恭子横野 隆史神谷 淳
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抄録
Claassen らは超伝導体に交流磁場を印加し,超伝導体の下に置いたコイルで検出される電圧スペクトルを計測した.彼らの実験結果によれば,交流磁場の振幅を増加すると,ある一定値以上で電圧スペクトルの第3 高調波が突然励起する.彼らはこの第3 高調波の励起が超伝導体全体での磁束フローを示していると結づけた.
本研究の目的は,Claassen らの結を数値シミュレーションを用いて再現することである.そのためには,Claassen らの実験に近い条件の下で,遮蔽電流密度方程式の初期値・境界値問題を解く必要がある.高次有限要素法及び後退オイラー法で離散化すると,同初期値・境界値問題は各時間ステップで非線形方程式 G(s) = 0を解く問題に帰着する.数値シミュレーションの結果では,超伝導体全体に臨界電流密度が流れるのが,まさに,第3 高調波スペクトルが励起し始める場合と一致した.
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© 2002 日本応用数理学会
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