動物分類学会誌
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トラック諸島,ポナペ島,マジュロ環礁と他のインド・太平洋域のカンザシゴカイ類(多毛類)(北赤道海流域における海産動物相調査報告 : II.1982年6〜8月の調査によるトラック請島,ポナペ島とマジュロ環礁のサンゴ礁動物相の研究)
今島 実Harry A. TEN HOVE
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1984 年 27 巻 p. 35-66

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抄録

昭和57年度文部省科学研究費補助金による海外学術調査(研究代表者 今島実,課題番号57041056)が昭和57年6月23日〜8月17日間に東カロリン群島のトラック諸島,ポナペ島とマーシャル群島のマジュロ環礁で海産動物相を明らかにする目的で実施された.多くの多毛類が採集された中で,カンザシゴカイ科か研究され,併せて日本ならびにパラオ諸島産の3種を再検討して2新種を含む10属24種を明らかにした.この調査海域からは現在までにSalmacina incrustans1種のみが知られていたに過ぎなかった.フィリピンから1876年に記載されたDasynema chrysogyrus(GRUBE)がポナペ島で2個体採集されたが,原記載以来報告がなかったものである.西カロリン群島のパラオ請島からマーシャル群島間の海域に産するカンザシゴカイ類30種のうち,Serpula hartmanae,S. vittata,Hydroides brachyacantha,H. novaepommeraniae,H. furcifera,Spirobranchus decoratus,Dasynema chrysogyrusの7種(23%)は日本沿岸まで分布していないことがわかった.

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© 1984 日本動物分類学会
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