抄録
ホオノキの茎頂培養による多芽体誘導条件の検討を行った. 成木頂芽から摘出した茎頂を, オーキシン (IBAあるいはNAA) とサイトカイニン (BAP) を組み合わせて添加した改変MS培地 (窒素濃度を1/4, 他の塩類濃度を1/2に改変) で培養した. 培養40日後, IBA 4μMとBAP 5μMを組み合わせた処理区において, 多芽体の形成が観察された. 誘導された多芽体は, 一つずつの腋芽に分割して同組成の培地に移植し, 培養した. 移植された腋芽は活発に成育し, 継代培養20日後には多芽体の形成が観察された. この際, 腋芽に多芽体の茎組織の一部分を付けて培養することにより, 多芽体が効率的に誘導された.