1995 年 12 巻 3 号 p. 281-287
葯培養を利用したタバコの突然変異育種の可能性を調査するため, 葯を0, 10および20日間培養した後にガンマ線照射を行った. 葯反応率に関するRD50 (葯反応率を対照区の50%に低下させる線量) は10日間培養区で最も低く8Gyであり, 0および20日間培養区ではともに50Gyであった. 半数体植物にみられる変異体の出現頻度も10日間培養区で最も高くなった. ガンマ線照射を行った葯培養由来の半数体植物から多くの形態変異体が得られたが, そのなかには明らかに突然変異によると考えられる形質も含まれており, 本法の有効性が示唆された。