植物組織培養
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組織培養による食用ウチワサボテンの大量増殖
織田 弥三郎澤田 裕樹
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1990 年 7 巻 3 号 p. 164-169

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抄録

組織培養による食用ウチワサボテン (Opuntia ficus-indica) の大量増殖法を検討し, 以下の知見を得た.
1. 基本培地としては検討した4種類の既成培地のうちMS培地が最も適していた.
2. 増殖培地では, BA 1mg/l, NAA 0~0.1mg/lの植物生長調節物質の組合せでシュートの増殖が良好であった.
3. また, 増殖培地中のゲル化剤に関しては寒天0.4%またはゲルライト0.2~0.3%が適していた.
4. 発根培地において, NAAを5mg/l添加することにより発根および地上部の生長とも増加した.
5. 発根した小植物体の馴化は容易であり, 生長にともなって親植物と同様の形質を示した.

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© 日本植物細胞分子生物学会
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