PLANT MORPHOLOGY
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学会賞受賞者ミニレビュー
被子植物における葉の向背軸の極性制御と単面葉の発生進化
山口 貴大
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2009 年 21 巻 1 号 p. 79-85

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抄録

被子植物の葉は,一般に向背軸の極性を持ち,光受容に適した平たい構造をしめす.一方,単子葉植物では,単面葉という,葉身が背軸面だけで構成される葉を持つ植物が多く見られる.この単面葉は,単子葉植物における葉の極性制御機構を解明するための独自の発生学的研究材料となりうるとともに,繰り返し進化や収斂進化といった,生物進化の過程で広く見られる現象の機構を明らかにするための,優れた進化学的研究材料にもなりうる.私は単面葉の発生進化機構の研究モデルとして,葉の形態が多様で,分子遺伝学的研究に適しているイグサ属植物に着目し,独自の分子遺伝学的研究基盤を整備するとともに,その発生進化機構に関し,新規な知見を得つつある.本稿では,被子植物における葉の向背軸の極性制御機構に関する最新の知見を概説するとともに,単面葉の発生進化機構に関する研究の進展状況,そして今後の研究の展望および可能性を議論したい.

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© 2009 日本植物形態学会
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