2016 年 28 巻 1 号 p. 1-2
構造を理解する形態学と機能を理解する生理学は,時に対比されながらも数世紀にわたり植物学を支えてきた学問領域である.20世紀後半以降の解析技術の革新により,それぞれの観点から見た植物は明確なものとなった.一方で,空間分解能の向上による形態構造の理解と生理機能の分子レベルでの理解はどんどんと乖離しているのも事実である.そこで,日本植物学会第79回大会において,日本植物形態学会および特定認定非営利法人綜合画像研究支援との共催のもと,植物の形態・構造と生理現象を司る分子の理解を橋渡しする先端的研究や技術を例として紹介しながら,現状の植物学の課題とそれを解決する融合研究について議論するシンポジウムを開催した.