Drug Delivery System
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特集 “中分子創薬とDDS”  編集:二木史朗
抗体結合ペプチドを利用した抗体依存型薬物送達技術の基礎的研究
林 良雄六車 共平
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2020 年 35 巻 3 号 p. 191-199

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抄録
抗体の有する多様な機能に立脚した研究ツールや医薬品の開発が注目される今日、抗体のFc部に親和性を有する抗体結合ペプチド(IgBP)についても関心が持たれている。抗原認識に影響を及ぼさないFc部での選択的な化学修飾は、抗体-薬物複合体(ADC)の質的な向上のみならず、新規機能性抗体の創出に有益である。一方、IgBPによる抗体依存型DDSの創製も期待されている。本稿では、筆者らのIgBP研究を紹介したい。具体的には、独自創製の抗がん剤Plinabulinに関するIgBPを介した非共有結合型ADCの創製と、単純な構造でありながら抗体Fc部に最強の親和性を示す新しい小型環状IgBPの開発を紹介する。そしてDDSを含む今後のIgBPの応用について展望したい。
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© 2020 日本DDS学会
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