PLANT MORPHOLOGY
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学会賞受賞者ミニレビュー
電子顕微鏡の広域イメージングがもたらすもの
永田 典子
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2024 年 36 巻 1 号 p. 53-60

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抄録

電子顕微鏡は光学顕微鏡に比べて著しく視野が狭い.これを克服する術として,自動でタイリング撮影し画像を結合する方法が開発され,高解像度を保ったままの広域イメージング像を得ることができるようになった.樹脂切片に対する広域イメージングは,透過電子顕微鏡 (TEM) と走査電子顕微鏡 (SEM) のどちらでも可能であるが,高倍率を極めたいなら広域 TEM が,簡便さと立体構築を求めるなら広域 SEM がよいだろう.今や広域かつ三次元の画像を自動取得することも可能であり,画像ビッグデータが容易に手に入る時代となった.本稿では,筆者が取得した実際の広域画像を示しつつ電子顕微鏡の広域イメージングがもたらす恩恵やその活用法について論じる.

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© 日本植物形態学会
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