PLANT MORPHOLOGY
Online ISSN : 1884-4154
Print ISSN : 0918-9726
ISSN-L : 0918-9726
学会賞受賞者ミニレビュー
コケ植物の配偶子器発生を支える分子機構
古谷 朋之
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2025 年 37 巻 1 号 p. 57-66

詳細
抄録

陸上植物の有性生殖において、配偶子(生殖細胞)として雌側では卵、雄側では精子(精細胞)をつくる過程が必須であり、その形成様式は進化の過程でダイナミックに変遷してきた。コケ植物や小葉植物、シダ植物では配偶体世代の器官として、多細胞でできた造卵器や造精器といった配偶子器(配偶子嚢)が発生し、卵や精子がつくられる。ほんの約十年前まで、配偶子器の発生に関しては、解剖学的な知見に留まっており、発生を制御する分子機構は未解明であった。近年、モデルコケ植物のタイ類ゼニゴケにおいて、研究基盤が整い、分子遺伝学的な理解が進んできたことで、配偶子器の発生の分子機構に関しても目覚ましく研究が進展している。著者らは、配偶子器発生制御因子としてBZR/BES転写因子MpBZR3を見出し、研究を進めてきた。本稿ではゼニゴケを中心に、コケ植物の配偶子器発生研究を取り巻く最新状況をレビューする。

著者関連情報
© 日本植物形態学会
前の記事 次の記事
feedback
Top