公共政策
Online ISSN : 2758-2345
セッション3「分権化と地方改革」
三重県における行政改革
北川 正恭
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1998 年 1998 巻 p. 1998-1-020-

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抄録

情報化の急速な進展に伴い,時代は大きな転換期にある。

日本のあちこちで「行政改革」が叫ばれ,地方分権,規制緩和,情報公開等について活発な議論が展開され,行政のあり方が根本的に問われている。折しも,国では地方分権推進委員会が4次にわたる勧告を終え,地方分権推進計画の策定が進められているところである。地方自治を真に住民の立場から進めていくためには,国も地方自治体も「自覚」と「責任」をもって時代の流れを真摯に受け止め改革を図る必要がある。

三重県では,「生活者を起点とする行政」への転換を目標に,1995年度から「さわやか運動」と称する改革を進めてきた。これまで,①事務事業評価システムの導入,②マトリックス予算,③業務契約方式,④使い切り予算からの脱却,⑤住民参画の推進等の取り組みを行ってきた。さらにこの運動が実を結ぶためには,今の県の組織,行政の運営方法について抜本的かつ集中的な改革が必要である。これが1998年度に向けて取り組んでいる「行政システム改革」である。

この改革は,生活者の視点から,「分権・自立」,「公開・参画」,「簡素・効率」をキーワードにして,現在の県の役割,システム,組織を抜本的に見直そうとするものであり,単なるリストラのための改革ではない。

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© 1998 日本公共政策学会
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