27の都道府県・政令市における情報公開条例の制定過程について、質的・量的分析手法を組み合わせて比較を行い、ほぼ同時期に検討が開始された条例の制定時期に17年もの開きが生じたのはなぜか、その差はどこで生じたのかについて検討した。この結果、ほとんどの自治体に共通する制定手順の中でも、特に初期の担当レベルの検討段階で差がついたことが明らかになった。そこで、この違いをもたらした要因は何だったのかについて比較検討したところ、1)首長のリーダーシップ、2)他の自治体の動向、3)議会の勢力分布、4)行政組織が持つ資源及びこれら要因の相互作用によることが明らかになった。