抄録
電子商取引市場の拡大などによる宅配の急増は、宅配の再配達を増加させており、交通・環境問題や物流業界のドライバー不足の一因となっている。再配達を前提とした不在が再配達全体の約4割を占め、配達時間をあらかじめ指定しておきながら不在にする消費者も少なからず存在することを考慮すれば、再配達の抑制において、消費者の再配達に対する態度や行動の変容が肝要である。本研究では、消費者の再配達に対する「態度」に焦点を当てたアンケート調査の結果を用いて、再配達に対する否定的な事実情報の提示が、被験者の態度変容に寄与する可能性を検証した。また、態度変容が行動変容を促す可能性を調べるとともに、態度が変容した被験者の特徴を明らかにした。さらに、再配達の抑制が他者依存となる態度に注目し、そのような態度を規定する要因について考究した。その結果、情報提供によって再配達に対する態度が改善される可能性、ならびに、再配達に対する態度の改善が行動の変容を促す可能性が示唆された。「女性」や「10代以下~50代」が、再配達に対する態度が改善されやすい傾向にあることも示された。また、再配達抑制が他者依存になるのは、「再配達の問題認識」や「物流への適正な理解」の欠如や「物流への厄介感」の保持が遠因であり、「自動車依存」が「物流への厄介感」に、「社会志向性」の欠如が「物流への適正な理解」に、それぞれ関係することが推察された。