実践政策学
Online ISSN : 2189-1125
Print ISSN : 2189-2946
「合意形成を目指すことへの『合意』」の醸成プロセスに関する研究
宮崎海岸侵食対策事業の初期段階での実践を通じて
吉武 哲信吉田 智洋高田 知紀桑子 敏雄
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2018 年 4 巻 1 号 p. 47-62

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抄録
近年、環境保全事業における社会的合意形成の重要性は広く認識され、各地で実践されている。しかし、過去にステークホルダーの関係が損なわれるような経緯がある場合、市民・住民からは、事業とは無関係に行政批判や一方的主張が展開されることが多く、直ちに合意形成に向けた対話を開始することは容易ではない。このような場合には、まず合意形成に向けた対話ができる環境の形成のために、「合意形成を目指すことへの『合意』」というメタ合意の醸成が必要である。本論文では、ステークホルダー間に相互不信が根強く存在する状況から開始された宮崎海岸侵食対策事業を対象に、その状況から合意形成に向けた対話を始めるに至るまでにおける著者らの実践プロセスを整理し、実践内容がプロセス上で有する意味を考察する。その上で、ステークホルダーの意識を合意形成に向けた理性的・生産的対話に方向づける(合意形成を目指すことへの『合意』を醸成する)プロセスを「合意形成プロセスの基底的環境醸成モデル」、さらに市民・住民に提示する、ステークホルダーが承認し得る合意形成の場と進め方の構造を「循環的合意形成プロセスモデル」という2つの概念モデルとして整理する。
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© 2018 実践政策学エディトリアルボード
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