抄録
持続可能な都市形成のため公共交通ネットワーク構築の重要性が高まる一方、コロナ禍による乗客減少や運転手不足、地方鉄道の存続問題など、様々な問題が顕在化している。このような問題に対応するため、自治体を中心とした行政機関が果たす役割が大きくなっていると考えられるが、とりわけ地方都市ではそのような体制が十分でないと想定される。公共交通政策推進体制の課題を抽出することが必要であると考え、本研究では、中国地方の自治体を対象にアンケート調査と各自治体が策定している交通計画の調査を実施した。調査から得られたデータを分析し、職員数・技術系職員の有無、在籍年数などが体制の課題であると考えられる結果が得られた。また、その影響として技術系職員が少ない場合インフラ整備費や利用促進補助費が少なくなる傾向や、地域交通計画において施策についての記述の割合が小さくなる傾向を示す結果が得られた。統合的な公共交通政策に取り組むためにも、推進体制の強化が望まれる。